
出典:Hikaru Utada
最近、大きな話題となった宇多田ヒカルさんが出演するCMでの「指ペロ」問題。なぜこの演出がこれほどまでに注目を集め、炎上という事態に至ったのでしょうか。ここでは、問題のCMの詳細から炎上の経緯、視聴者の反応、そして法的な観点まで、騒動の背景を多角的に掘り下げていきます。
- 宇多田ヒカル「Mine」は綾鷹CMの曲
- 問題となった指ペロCMは綾鷹とケンタッキー
- 綾鷹CMでの指ペロが炎上した経緯
- ケンタッキーCMも不快だとの声が殺到
- 指ペロのシズル感に関する様々な感想
- 指ペロ行為は食品衛生法違反になるか
宇多田ヒカル「Mine」は綾鷹CMの曲
今回のCM騒動を語る上で、まず触れておきたいのが使用されている楽曲です。2024年に宇多田ヒカルさんは「綾鷹」のブランドアンバサダーに就任し、大きな話題を呼びました。
当初、2025年3月から放映されたCMシリーズでは、宇多田ヒカルさんの新曲「Mine or Yours」が使用されていました。この楽曲は、宇多田さんの日常を切り取ったような映像と共に、ヨーロッパの街並みを旅するスペシャルムービーも公開され、ファンの間で注目を集めました。
しかし、実際に「指ペロ」演出で炎上した2024年4月放映のCMで使用されたのは、ベストアルバム「SCIENCE FICTION」に収録されている「traveling (Re-Recording)」です。見出しの「Mine」という曲名に混乱した方もいるかもしれませんが、プロモーションの時期によって使用楽曲が異なっていた、と理解するのが正確です。いずれにしても、宇多田さんの魅力的な楽曲がCMの雰囲気を高めていた一方で、映像の演出が物議を醸す結果となりました。
問題となった指ペロCMは綾鷹とケンタッキー
宇多田ヒカルさんの「指ペロ」演出が問題視されたのは、一つのCMだけではありませんでした。具体的には、「綾鷹」と「ケンタッキーフライドチキン(KFC)」の二つの異なる企業のCMで、同様の描写が見られたことが、騒動を大きくした要因と考えられます。
| CM名 | 商品 | 問題とされた演出 |
| 綾鷹「新 綾鷹 meets 宇多田ヒカル」篇 | 綾鷹(緑茶飲料) | 綾鷹を飲んだ後、グラスの縁についたしずくを指ですくい、その指を舐めるシーン。 |
| KFC「創業記念パック『THE SIZZLE』篇」 | 骨なしケンタッキー | 骨なしケンタッキーを食べた後、指についたソースや衣を舐めとるシーン。 |
このように、同時期に放映された二つの食品関連CMで、立て続けに「指を舐める」という行為が描かれたのです。綾鷹はさっぱりとした緑茶、ケンタッキーはジューシーなチキンと、商品は対照的ですが、奇しくも同じ演出が採用されたことで、視聴者の注目が一点に集中し、それぞれのCMに対する意見が活発に交わされるきっかけとなりました。
綾鷹CMでの指ペロが炎上した経緯
綾鷹のCMは、宇多田ヒカルさんが縁側でくつろぎながら綾鷹を飲む、という穏やかな雰囲気の作品です。問題となったのは、宇多田さんがグラスで綾鷹を飲んだ後、グラスの縁に残った一滴のしずくを右手の人差し指ですくい、自然な仕草でその指を舐めるシーンでした。
この描写に対して、インターネット上では放映直後から様々な意見が噴出します。「お茶を飲んだ後に指を舐めるのは行儀が悪い」「不衛生に見える」といった批判的な声が相次ぎました。また、「子どもが真似をする可能性があり、食事のマナーとして不適切ではないか」といった教育的な観点からの懸念を示す意見も見受けられました。
これらの声はSNSを中心に急速に拡散され、いわゆる「炎上」状態へと発展します。広告表現としては、商品の魅力を伝えるための「シズル感」を狙ったものと考えられますが、受け手によっては、その演出が不快感や嫌悪感につながってしまったのです。
ケンタッキーCMも不快だとの声が殺到
綾鷹のCMが話題になるのとほぼ時を同じくして、ケンタッキーフライドチキンのCMにも同様の批判が寄せられました。こちらは「創業記念パック『THE SIZZLE』篇」と題され、宇多田ヒカルさんが自宅で骨なしケンタッキーを食べるという内容です。
このCMでは、宇多田さんがチキンを味わった後、指についたソースや衣を美味しそうに舐めとるシーンがアップで映し出されます。こちらも商品のジューシーさや美味しさを伝える「シズル演出」の一環でしたが、視聴者からは「食べ方が汚い」「食事シーンとして見ていて気持ちのいいものではない」といった厳しい意見が殺到しました。
特に、口元や指先をアップで映す演出が、一部の視聴者にとっては過剰に感じられたようです。「クチャクチャという咀嚼音も気になる」といった音に関する指摘もあり、綾鷹のケースと同様に、演出が生々しすぎると感じた人が多かったことがうかがえます。二つのCMが立て続けに放映されたことで、相乗効果的に批判の声が大きくなった側面もありました。
指ペロのシズル感に関する様々な感想
一連の「指ペロ」演出に対しては、批判的な意見だけが全てではありません。多角的な視点から見ると、この表現を肯定的に捉える声も確かに存在しました。
批判的な意見
前述の通り、最も多く見られたのは批判的な感想です。
- 不衛生・行儀が悪い: 食品を扱うCMとして、指を舐める行為は衛生観念に欠けるという指摘。
- 子どもへの影響: 食事のマナーとして不適切であり、子どもが真似をする可能性への懸念。
- 生理的な不快感: 口元や指先のアップ、咀嚼音などが生理的に受け付けないという意見。
肯定的な意見
一方で、少数ながらも以下のような肯定的な意見も見られました。
- 美味しそうに見える: 飾らない食べ方が、逆に商品の美味しさを引き立てているという感想。
- 人間らしくて良い: 型にはまった綺麗な食べ方よりも、人間味があって親しみが持てるという見方。
- セクシーで魅力的: 宇多田ヒカルさんの仕草が色っぽく、魅力的だと感じるという意見。
このように、同じ「指ペロ」という演出であっても、受け取る側の価値観や感性によって、その評価は大きく分かれました。広告表現の難しさを浮き彫りにした事例と言えるかもしれません。
指ペロ行為は食品衛生法違反になるか
CMの描写が炎上する中で、「指を舐める行為は食品衛生法に違反するのではないか」という疑問の声も一部で見られました。
この点について法的な観点から見ると、CM内の演出が直ちに食品衛生法違反に問われる可能性は極めて低いと考えられます。食品衛生法は、主に食品の製造・販売過程における安全性を確保するための法律です。例えば、飲食店の従業員が調理中に指を舐め、そのまま食品に触れるといった行為は、衛生管理上の問題として指導の対象となる場合があります。
しかし、CMはあくまで創作物であり、広告表現の一つです。宇多田ヒカルさんが個人として商品を消費するシーンを描いたものであり、製造・提供過程での不衛生な行為を描いたわけではありません。したがって、この演出をもって法的に罰せられることはないと言ってよいでしょう。
問題の本質は、法律違反かどうかという点よりも、食品を扱う広告表現として「倫理的に、あるいは社会通念上ふさわしいかどうか」という点にあります。多くの視聴者が「不快」「不衛生」と感じたという事実が、企業側に対応を迫る大きな要因となったのです。
宇多田ヒカルの指ペロ問題と今後のCM展開

出典:Hikaru Utada
炎上を受けて、CMを放映した企業側はどのように対応したのでしょうか。また、一度は中止や差し替えが協議されたCMは、最終的にどうなったのでしょうか。ここでは、企業側のコメントからCMの差し替え、そして今後の広告表現のあり方まで、騒動の顛末と将来への影響を考察します。
- コカコーラCMはコメント停止の事態へ
- なぜCMは差し替えになったのかその理由
- 民放各局もCM差し替えを協議中か
- 綾鷹CMの中止はいつから実施される?
- 宇多田ヒカルの指ペロ問題における今後の焦点
コカコーラCMはコメント停止の事態へ
綾鷹CMの炎上を受け、発売元である日本コカ・コーラ社は迅速な対応を見せました。批判的な声が殺到したことを受け、同社はYouTubeの公式チャンネルにアップロードされていた該当CM動画のコメント欄を一時的に閉鎖する措置を取りました。
これは、さらなる誹謗中傷や不毛な論争が拡大することを防ぐための対応と考えられます。企業がSNSや動画プラットフォームのコメント機能をオフにすることは、炎上時の初期対応としてしばしば見られる手法です。直接的なコメントを発表する前に、まずは状況をコントロールし、社内で慎重に今後の対応を協議するための時間を確保する狙いがあったと推測されます。
この「コメント停止」という対応自体がニュースとなり、騒動がさらに多くの人々に知られる結果となりました。企業としては、消費者からの厳しい指摘を無視できない状況にあることを示す、一つのシグナルになったと言えます。
なぜCMは差し替えになったのかその理由
最終的に、綾鷹とケンタッキーの両CMは、問題となった「指ペロ」シーンをカットまたは編集した差し替え版へと変更されました。その最大の理由は、企業が「視聴者からの批判的な意見を真摯に受け止めた」からです。
日本コカ・コーラ社はメディアの取材に対し、「視聴者の方からいただいたご意見を真摯に受け止め、広告会社と協議の上、放映を再検討している」といった趣旨のコメントを発表しました。これは、商品の売上やブランドイメージへの悪影響を懸念し、迅速に事態の鎮静化を図るという経営判断があったことを示唆しています。
広告は、商品を売るためのコミュニケーション手段です。その広告が、意図とは逆に消費者に不快感を与え、ブランドへの嫌悪感を生んでしまっては本末転倒です。たとえ法的に問題がなく、一部には肯定的な意見があったとしても、ネガティブな反応が一定数を超えた場合、企業としてはその声に対応せざるを得ません。今回の差し替えは、現代の企業活動において、消費者感情への配慮がいかに重要かを示す典型的な事例となりました。
民放各局もCM差し替えを協議中か
炎上が拡大する中、当初は「民放各局もCMの差し替えを協議している」との情報が流れ、事態の推移が注目されました。テレビCMは、広告主である企業、広告代理店、そして放送局であるテレビ局の三者の合意のもとで放映されます。
放送局には、番組や広告の内容が放送倫理に反していないかなどを審査する考査部門があり、視聴者から多数の苦情が寄せられた場合、広告主に対して内容の変更を求めることがあります。今回のケースでも、各テレビ局が事態を重く見て、広告主である日本コカ・コーラ社や日本KFCホールディングス側と、今後の放映について協議を行ったと見られます。
結果として、企業側が自主的に差し替えを決定したことで、放送局側が強制的に放送を中止するといった事態には至りませんでした。しかし、この一連の動きは、広告主だけでなく、放送するメディア側にも、広告表現に対する社会的責任があることを改めて示すものとなりました。
綾鷹CMの中止はいつから実施される?
視聴者が最も関心を寄せた点の一つが、「問題のCMがいつまで放映されるのか」ということでした。時系列で追うと、対応は非常に迅速でした。
2024年4月中旬にCMが放映開始され、SNS上ですぐに話題となり炎上。そして、メディアがこの問題を取り上げ、企業側のコメントが報じられるようになると、同月の下旬には、すでに問題のシーンがカットされた差し替え版のCMがテレビで放映され始めたことが確認されています。
つまり、炎上が始まってからわずか1〜2週間程度という極めて短期間で、CMの内容変更が実施されたことになります。このスピード感は、SNS時代における炎上対応のモデルケースとも言えるかもしれません。企業が消費者からのネガティブなフィードバックをいかに深刻に受け止め、ブランドイメージの毀損を最小限に抑えようとしたかがうかがえます。完全に「中止」されたわけではなく、「内容を修正したバージョンに差し替えられた」というのが正確な結末です。
総括:宇多田ヒカルの指ペロ問題における今後の焦点

出典:Hikaru Utada
- 宇多田ヒカルさんが出演した綾鷹とケンタッキーのCMで「指ペロ」演出が問題視された
- CMソングには当初「Mine or Yours」や後に「traveling (Re-Recording)」が使用された
- 炎上の主な理由は「不衛生」「行儀が悪い」といった視聴者からの批判
- 綾鷹CMではグラスのしずくを、KFCのCMでは指についたソースを舐める描写があった
- 肯定的な意見として「美味しそう」「人間らしい」との声も一部存在した
- 演出への評価は個人の価値観により大きく分かれ、広告表現の難しさが浮き彫りになった
- CM演出が直ちに食品衛生法違反に問われる可能性は極めて低い
- 問題の本質は法的問題より、食品広告としての倫理観や社会通念にあった
- 日本コカ・コーラ社はYouTubeのCM動画でコメント欄を一時閉鎖し対応
- 企業側は「視聴者の意見を真摯に受け止めた」としてCMの差し替えを決定
- 炎上から約1〜2週間という短期間で差し替え版の放映が開始された
- 「シズル感」の追求が、時に視聴者の不快感を招くリスクを明らかにした
- SNSの普及により、消費者の声が企業対応に与える影響力が一層増大した
- 今後の広告制作では、多様な価値観を持つ視聴者へのより一層の配慮が求められる
- 今回の事例は、今後の広告倫理を考える上での重要なケーススタディとなる












